東横病院内でミサを捧げていた人々をきっかけとして、1958年アトンメント会が武蔵小杉に設立した教会です。


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9月のメッセージ

つぼみ程の希望

トゥ神父

 自然が巡って夏になると、暑くなるのは当然です。しかし今年はいろんな国の人々が、予想出来ない程の異常気象で危険な暑さや大雨などで大変苦しめられました。これでも9月だろうかと思う程の暑さが続いています。季節は秋へと確実に向かっているのです。同じ気温であっても秋と聞くと秋風のひんやりしたものが感じられます。本当に不思議です。
 さて、貴重な休日の多い8月を皆さんはどのように過ごされましたか。厳しい猛暑をしのぐため、テレビでも様々な方法やグッズが紹介されていました。私たち自身も恐らく目・耳など五感で、少しでもヒンヤリした涼感を得るための工夫を色々とした事でしょう。そういう意味では異常な暑さを少しでも快適に、また健康に過ごすための良いアイディアを生み出すための一つの機会だったと言えるかもしれません。
 社会の中でも様々な問題が起りました。医学部を目指す女子受験生の点数を意図的に低くしたり、若者が心身共に健全に成長して行くためのスポーツを指導者である大人が好き勝手に利用したりと、目を覆いたくなるような事実が報道されました。自然に対しては工夫してうまく生きている人間も、社会にあっては、自分自身の心地良さのためだけの工夫をしている人がいるのです。自然が与えた厳しい暑さも秋の実りには欠く事の出来ない大切なものであるように、私たち人間の社会でもしっかり目を覚まして工夫してより良い社会貢献をして歩みたいものです。
 信仰の面でも私たちは工夫して行かなければなりません。しっかり意識していないと、目に見えない信仰の中の大切なものが失われて行くようです。その為に、9月の典礼では、14日に「十字架の称賛」が祝われます。十字架を称賛するのは意味があるからで、偶然ではありません。一年の典礼暦の中に用意されているのです。私たちが礼拝する対象は十字架ですが、苦しみではありません。むしろ、その苦しみの中の喜びです。私たちには、十字架の上に花を咲かせる希望があるのです。十字架は救いの道であり、希望を与える神の愛への招きです。十字架の上で自らを犠牲にしたイエスの姿に愛を見ることが出来ます。ですから、聖パウロは誇りを以って「わたしはあなたがたの間で、イエス・キリスト、それも十字架につけられたキリスト以外、何も知るまいと心に決めていたからです」(1コリント 2:2)と明言しているのです。
 キリストが苦しみや死を受け入れたのは、苦しみや死が人生の目的だからではなく、むしろ「神の子であるイエス・キリストがこの世に来たのは苦しみを滅ぼし、この十字架を排除するためなのではなく、我々と共に苦しみを受け、この十字架に我々と共にかけられる為である」のです。
 今年の暑さも、自然災害も、様々な試練や問題などは一つの十字架です。それらの十字架を称賛に値するものへ変えて行くには、工夫しなければなりません。そのためにはただ「今、しばらくの間、いろいろな試練に苦しまなければならなくても、心から喜べ。試練を経たあなたがたの信仰は金よりもはるかに尊い」(1ペトロ 1:7)という言葉を信頼して生きたいと思います。



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2018.10.21 Sunday
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