東横病院内でミサを捧げていた人々をきっかけとして、1958年アトンメント会が武蔵小杉に設立した教会です。


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年間第18主日


関心を寄せて思いやる心

 八月は、一年で一番暑い時です。大雨の被害や新型コロナウイルス感染者数の再びの増加に心身共に疲れ果てている方もいらっしゃるでしょう。その方々が夏の風物詩である祭りや行事はなくても、心地よい風鈴の音やスイカの美味しさを味わいながら、ゆっくり休み、心身共にリセット出来るように、心から祈っています。
 さて、何年も前のことですが、私が後悔していることがあります。横浜駅で、倒れた一人の男性を助けなかったことです。私も多くの人々と同じように、知らん顔で、倒れた人を遠目に通り過ぎました。誰よりお節介な私ですが、関わると警察にまで行くことになり、面倒になる恐れがあると思ったからです。本当に思いやりのない自己中心的な私でした。
 今日読まれた福音の中に出てくるイエスの弟子たちと同じようです。ですから、5千人もの群衆に食事を用意することは出来ない、と能力の限界や無力感を感じ、群衆を解散させるしかない、と考えたイエスの弟子たちの気持ちがとてもよく理解出来ます。
 現実の状況に対してなすべき手段がない、という弟子たちの考えは自然であり、合理的と言えるかもしれません。実際には、弟子たちが群衆のことに関心を持たず、思いやりの心が足りないのです。弟子たちも、私たちも面倒なことに関わりたくないのです。しかし、イエスはどんなに忙しく疲れて休みたくても、目の前で大切な人が苦しんでいるのを見過ごせませんでした。それが一人でも五千人でも関係ないのです。だから、イエスは弟子たちに「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」という弟子たちが予想もしない面倒な要求をしたのです。イエスにとっては、面倒なことではありませんでした。なぜなら、ただの五千人の人ではなく、五千人の一人ひとりが、神の似姿として創られた大切な人だからです。
 イエスは群衆の一人ひとりに関心を寄せて深く憐れみ、深く関わりました。家までは遠く、時間も遅く、空腹で、病気の人は無事に家まで辿り着けないかもしれない、途中で死んでしまうかもしれない。そのまま帰らせることは出来ないと思われたのでしょう。正に憐れみ・関心を寄せて思いやる神の愛です。イエスは、ただ口先だけや見るだけで終わるのではありません。心からの憐れみとは、手足を動かさずにはいられないことです。心の導きによって、頭も手足も使って働くのです。そしてその心で、弟子たちに協力するよう招いておられるのです。
 イエスは弟子たちに「自分たちが出来るから、自分に関わっていることだから動き出すのではない」という事を伝えています。現実のわずか五つのパンと二匹の魚でも行動し始める事が出来るのです。群衆に憐れみを持って関わったイエスは、父である神と祈りを通して分かち合いました。賛美の祈りを通して神と分かち合ったからこそ、見事な奇跡が起ったのです。この奇跡を通して「来て、銀を払うことなく穀物を求め、価を払うことなく、ぶどう酒と乳を得よ」という第一朗読のイザヤの預言が実現され、神の限りない愛が無償で降り注がれ、私たちを招いてくださるのです。
 他の者に関心を持つ事、関わる事はとても大切です。私たちにとって、関心を寄せて思いやることは贅沢ではなく不可欠なものです。特に教皇フランシスコが「私たちはエゴイズムのために、他者の苦しみを見ないで、顔をそむけて通り過ぎることに慣れている」と、アルゼンチンのコモドーロ・リヴァダビア教区が主催したオンライン黙想会で指摘している通りです。物事や人々に関心を持つことによって憐れみのある心が生まれ、さらに私たちの予想もしない素晴らしい奇跡にも導かれるのです。私たちが他の人の為に生きる時、確かに自分の人生はより困難になるかもしれません。しかし、より美しく、より幸せにもなるのです。
 私たちの周りに、様々な形で飢え渇いている人々が大勢います。特に心の飢えと渇きを覚えている人々、何より真の救いに飢えている人々が既にいることに気づきましょう。慈悲に心を開き、無関心で終わるのではなく、勇気を出して関わりましょう。そして、日々、キリスト者として「主よ、今日一日、貧しい人や病んでいる人々を助けるために、わたしの手をお望みでしたら、今日、わたしのこの手をお使いください」と、祈りましょう。そして一人ひとり自分に出来る協力をし、人々との関係を大切に育んで行く心を願って参りましょう。



2020年8月2日
ハー・ミン・トゥ神父


年間第18主日_印刷用(PDF形式)





2020.08.01 Saturday
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